Philosophy

今日の世界 /
Our World Today

 現代社会において福祉制度が充実してきたとはいえ、未だに社会福祉分野における課題は根絶されておりません。特に虐待や不適切な支援について、福祉の有資格者数の増加や専門性の向上進歩しという時代の流れに逆行するかの如くなくなることはないのです。更に言うならば、福祉の専門家である有資格者が虐待に手を染めるケースも少なくないというのが社会福祉の現状です。

 障害特性を理解していないなどといった知識不足しているというケースもありますが、実践現場においての共有価値や倫理観などといった内的素養が疎かにされていることが起因しているように感じます。

 「因果応報」という言葉があるように、このような状況を今ここで打破せねばなりません。介護職の当の本人たちはいざ自分達が介護される側になる時に、虐待を受けてしまうという自体を自分たち自身で作っているのと何ら変わりありません。処遇改善であるとか職場環境ストレスがなどといった言い訳を繰り返すのではなく、全ての従事者が自分ごととして本気で負の連鎖を断ち切る必要があるのです。

 想像力の欠如と無理解と不寛容な世界を少しでも変えていけなければならない。まずは知ってもらうことから私は始めていきます。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という表現があるように、知ってもらうことで差別や偏見が減るのではないかと期待しています。

SDGsの応用 /
Sustainable Development Goals

 SDGsの包摂的、誰一人取り残さないという大きな概念が社会福祉に従事する私たちにとって、SDGsを身近に感じやすくしてくれているように思えます。社会福祉などの学び、資格を出発点に考えを始めてしまう癖が制度、情勢の変化によって歪を生じさせる原因になってしまっていたかもしれません。対応力や適応能力があればスムースなのですが、利用者の多くがそれらを不得意とされているので、これを補うのが私たちの役割であると認識しています。柔軟に対応できるというのが私たち従事者の理想の姿であります。

 法律の改正であるとかそういった部分だけではなく日々刻々と変化する社会への適応が求められます。個別的な視点や意識レベルで私たち1人1人が留意しないと排除、差別されるという状況に陥る脆弱性を持っています。利用者の方々は100人いれば100通りの支援の仕方があり、それは偏りということではなく、職員との相性というのが最も表現しやすい要素です。専門性があったりスキルがあったりしてもうまくいかないことも実際にあるのです。

 ですから、職員の人間性や多様性を私たちは重要視します。新しい考え方が生まれず、イノベーションが起こらない状況を打開します。答えが「これ」というものがない福祉の根幹・本質について考えるよい機会であると捉えています。そこで私たちは、SDGsの体系を基に法人の経営理念の再編纂に取り組むことと致しました。基本理念を①ビジョン、②ミッション、③ゴールの3構造とし、その下層概念として職員に浸透させる行動規範を付記し、理念を具現化するために体系化しました。

SDGs宣言 / Statement

 私たちはSDGsに関して、この世界のあらゆる人々にとって「永続的に持続可能な未来」を実現するための宣誓という捉え方をしています。特に、私たちは平等及び社会的正義、公正といった概念は人類としての普遍的な原理原則であると認識しており、社会福祉分野で活躍する私たちにとって最も重要な事柄であると考え、行動しています。また、こういった事柄は「人権」のように全世界に通じ、守られるべき概念であることを確信しています。

 SDGsのような理念は特定の法人、限られた地域、ただ1つの国で浸透させればいいというものではなく、特に地球規模課題という観点から考えを及ばせてみると、全世界、あらゆる人々がより効果的なパートナーシップを組んで取り組まないとあらゆる課題を包括的にクリアし、より良い未来の姿を希求することは叶わないだろう、ということが次第にわかってきます。

 私たち人類がこれまでの開発過程で地球環境や自国以外の人々の暮らしに考慮した行動をとらなかった側面があったことによって現代社会においてさまざまな歪みが顕在化し、未来への不安が高まっているように感じています。

 果たして、私たちは、私たちの子どもや更にその次の世代により良い未来をつないでいくことができるのでしょうか。私たちは、SDGsが今この時点がよりよき未来へのターニングポイントであるということを訴えかけてきているように感じ取っています。